『恋は雨上がりのように』完結までの感想 part1

アニメ化や実写映画化もされた人気作ですが、

原作者である眉月じゅん先生の次回作(現連載作)である『九龍ジェネリックロマンス』を読んだことを切っ掛けに本作に手を出してみました。

 

全10巻と非常に読みやすい作品となっております。

長すぎず短すぎず、理想の巻数ではないでしょうか。

 

あ、勿論ネタバレ全開ですからご注意くださいね。

 

 

さて、本作を知ったのは実は連載中です。別に読んでいた訳ではありません。

ネットの各所で話題になっていたのです。

「女子高生と中年男性の恋愛もの」という昔からの定番ネタだけど面白い!という触れ込みでした。

 

二人の行く末に多くの読者がドキドキしながら読み進めて行っていたことは想像に難くないです。

 

で、迎えた最終回。各所大荒れ。掲載誌的にも読者層は近藤店長に近い年齢の男性が多かったでしょう。

(勿論女性読者もいたのでしょうけど)

それ故に店長に感情移入していた多くの読者は「なんだこの終わりは!」と嘆いたのです。

勿論私は当時読者ではなく、その感想だけを観ながら「ああ、コレそんな終わり方したんだ」という気持ちしかありませんでした。

 

そして今回!満を持して読んだ訳です!

「離別エンドである」という事だけを知りながら!!

 

序盤はあきらの積極的なアピールにニヤニヤしつつ、それにドギマギする店長にもニヤニヤしていました。

そして店長の最大のネックである年齢に関する気持ちにも理解を示しながら読み進めていた訳です。

 

途中のあきらに粉かけてた時の加瀬君は明らかに「横槍キャラ」として描かれていましたが、

彼もダブルデート後は報われない恋に悩む空気の読めるナイスガイに変貌。

結果としてレストラン・ガーデンにはリアルだけれどもイヤなヤツがいない環境になりましたね。

あ、年末の失言はこの際無視でお願いします。飽くまであきらに粉かけてこなくなったのが良い変化なので。

 

とにかく、不快感のないキャラで溢れたガーデンは読者にとっても良い雨宿り場所となった訳です(上手い事言った

 

と、なんだか散らかった内容になってきたので核心にいきましょうかね。

 

・二人の離別

 

店長が考える「もし二人が同級生だったら」とあきらの考えるそれとは内容が全然違います。

当然です、二人は別の人間なのだから。

しかしこの描写に私が言いたいのは、店長は大人としてあきらを理解出来ていますが、男として理解出来ていないという点です。

 

店長視点では「雨止まないかなぁ」で、あきら視点では「雨も良いね」ですから。

思い起こせばあきらは序盤からイケイケドンドン(死語)で店長にアピールし続けていました。

店長も最初は気付かなかったり、はぐらかしたり避けたりとしていましたが徐々にあきらへ恋心が芽生えました。

そりゃあ女性からアプローチされて「全く興味ない。ノーサンキュー、近づかないで」となる男はいませんからね。

あ、勿論店長がそんな男の本能だけであきらを好きになった訳ではないというのは分かった上での発言です。そこだけは誤解無きよう!!

 

で、また話がそれましたけど、二人の妄想に対して結局何が言いたいのかと言うと、二人の距離や理解が深まった物語終盤においても店長はあきらという一人の女性を掴み切れてなかったという事なんですね。

まあ断言しておいてなんですが、アレは「もし二人が同級生だったらどんな関りを持っただろうか」と言う話なので、リアルタイム高校生のあきらと違って店長は「当時の俺」を想起して妄想したはずなので「理解が出来ていなかった」というのもやや乱暴かな、とも思います。

 

でもまあバツイチですし、恋愛も得意そうではないので「理解出来ていなかった」で良いのかな、と。

 

逆に大人としてはあきらをきちんと理解していました。

彼女の挫折を癒し、本心をしっかりと引き出し彼女を巣立たせましたから。

しかも実にプラトニックな関係のままですよ。

正直「大人」として完璧な立ち振る舞いですよ。

 

店長が何故あきらを立ち止まらせなかったのか。

「あきらの本心を引き出して上げたかった=自分の様になって欲しくなかった」

という気持ちだったのでしょう。

 

ちょっとどうしてもまとまりのない文章になってしまったのでパート分けしてリセットさせてください!

すみません!!!