画質・音質編 第4回『マトリックス』(UHD)

UHD版のマトリックスは良いですね。

続編のリローデッドとレボリューションズも一緒にして語りますが、

仕様がとにかく良いのです。

 

4Kリマスター

音声をAtmos化

テレビ版吹替を完全収録

 

「何故こうならなかった!?」が一切ない、素晴らしいUHD化です。

入れるべきもの、入れて欲しいもの全てが入ってます。

理想のUHD化と言って良いでしょう。

マトリックス三部作、その円盤の完成形です。

 

あ、今回は一作目のレビューです。紛らわしくて済みません。

 

画質:8

音質:9

 

〇画質

当時日本国内でDVDプレイヤーは全然普及していませんでした。

その中で登場したのが本作のDVDでした。

そして同時期に出たのがDVD再生機能を持ったプレイステーション2

この二者によってDVDは爆発的に世に普及しました。

お互いがお互いを盛り立てる、唯一無二の親友の様な関係でしたね。

 

さて、その時の画の感じは実は緑緑してなかったようです。

最近ネットにDVD版のキャプチャが上がってまして、それで知りました。

UHDはその時の画、つまり元々の色調に近い調整がなされたようです。

私は「え!?UHDは緑色が減退してるの!?え~」なんて嘆いてましたが、

とんだ勘違いというか、思い違いをしていたようですね。

画面が緑緑しだしたのは続編のリローデッドからだそうです。

BD版はそれ以降の画に合わせた調整がなされてたようですね。びっくりです。

 

さて、画質そのものの話をしますと、流石に年代を感じさせるものとなっています。

近年のくっきりしゃっきりといった画質ではありません。

しかしリマスターによって見事画質の底上げがなされ、

マトリックスとしては最大のパワーを発揮した画になっていると思います。

観賞中に気になる様なマイナス要素はないと言って良いでしょう。

 

 

〇音質

別物。そう、別物です。BDとは別物なのです。

BD版はどこか気の抜けた音でした。が、UHDは違います。

放たれる拳の一撃が重い。発砲の一発が重い。とにかく重みがあります。

カンフーを中心とした格闘シーンも見所な本作です。

その放たれる拳の打撃音が気持ちが良い位ズシンと響きます。

ディスクを入れて再生すると何故かデフォルト音声がドルビーデジタル、

つまり圧縮音声(ロッシー音声)なのですが、聴き比べてみてください。

余りの音の威力の違いに驚く事請け合いです。

 

本作はAtmos化されているのでトップスピーカーも勿論鳴ります。

包囲感は増し、我々をマトリックスの世界へとより没入させてくれます。

トップからの主張は一部のシーンではそこそこあるものの、そんなにド派手にはありません。

むしろ音の威力アップに貢献していますね。よくあるパターンではありますが

まあ年代等加味すればそこまでの贅沢は言わないのが大人だよねって事でここは一つ。

 

 

〇総評

幾多の巨匠達が築き上げてきたSF要素を取り入れつつ、見事昇華させ、

なおかつ斬新過ぎるビジュアルと演出で、誇張なく映画の歴史を変えた本作。

UHD版はそれを手元に置いておくに躊躇無しと断言出来る素晴らしい出来でした。