画質・音質編 第3回『ガールズ&パンツァー 劇場版』
都会の方では極音上映などがあり、音響にさして拘りの無いであろう人達も巻き込んで大いにオーディオ・ビジュアル界隈を賑わせてくれた本作。
私がサラウンドを組んだ要因の一つでもあります。
画質:10
音質:10
〇画質
「デジタルアニメかくあるべし」と言える優等生っぷりを見せつける本作。
全てがハッキリ・クッキリ。発色も鮮やかでひたすらにスキっとした画面。
お見事の一言。
〇音質
評価を語る前に自分語りさせて下さい。
私が本作を最初に観たのは劇場ですが、BDではヘッドフォンXの仕様で最初に観ました。
「確かに移動感はあるかな~」という感じでしたが、まあそこは色々と・・・
しかし問題はここからで、どの音声仕様で聴いても音のチグハグさが凄く、
目の前のキャラが喋ってるのに声は遠く、そして爆発音はやたら耳に刺さるという始末。
「これはスピーカーじゃないとダメなのでは?」とサラウンドを組む後押しをしてくれた様な作品になりました。
で、組んでみての鑑賞。
「組んで良かった」の一言です。思ってた通りの音の出方でした。
あのチグハグさは消え、綺麗に聴こえる・・・
勿論それだけじゃありません。音の移動感、これも素晴らしい。
砲弾が前から後ろへ、そして着弾し爆発する音が前後から鳴り響く。
カールの着弾音なんかはサブウーファーのない我がシステムでも轟音を響かせてくれます。
それこそ壁が揺れます。某賃貸なら騒音トラブルで即退去命令出るレベルです。
そして戦車のエンジン音や、キャラのダイアローグも見事。
劇場やヘッドフォンでは分かりませんでしたが、キャラが戦車の中で喋ってる時は声も反響してるんですよね。芸が細かいです。
一切の妥協無く積み上げたであろう音回りには作り手の情熱どころか、
最早執念すら感じさせられます。最高の仕上がりです。
〇総評
サラウンドの楽しさを手っ取り早く味わうにはドンパチ系が一番ですが、
まさに本作はその一番槍として相応しい作品でしょう。
『AKIRA』も素晴らしいですが、砲弾の移動がある分こちらにやや軍配があがるかなーといった感じです。
ただこれは究極の所の話なので、どちらもサラウンドを楽しむには最適なソフトには違いありません。